2016/07/11

クロと水面の町12

suimen 12

 クロは、残った水溜りの下のタイルをはがすと土に埋めました。
それはまるで、お墓を作っているように見えました。


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クロの棺桶・絵本
2016/07/10

クロと水面の町11

suimen 11

 気がつくと、クロはタイルの上に居ました。
辺りを見渡しても町はどこにも見当たりません。
ただ、足元に残った水溜りは真っ赤に染まっていました。
「嘘つきばかりですね。」
と、クロは呟きました。
もう女の子が地上に戻ってくることはないでしょう。


クロの棺桶・絵本
2016/07/07

クロと水面の町10

suimen 10

 あんなにあった水面は、干上がってすっかり無くなっていました。
二人は、辛うじて残っていた水溜りまで辿り着きました。
「さあ、追いつかれてしまう前にここから逃げてしまいましょう。」
クロは、そう言うと水溜りに女の子の話にでてきた呪文を唱えました。
しかし、女の子は魚のほうをじっと見て動こうとしません。
逃げないのかとクロが聞くと、女の子は
「大丈夫、すぐ行くよ。」
と言って、さっき拾った宿の破片を持って魚のほうへ走って行きました。

クロの棺桶・絵本
2016/07/04

クロと水面の町9

suimen 9

その時でした。
宿に何かがすごい勢いで、どかーん!と突っ込んできました。
二人は驚いて振り返ると、壊れたの壁の間から大きな目がこちらを見ています。
「なんだ、まだ居るじゃないか。」
と、目の主が言いました。
「予言者様?」
という女の子の呟きにクロは
「どうやらそのようですね。」
と答えました。
予言者の正体は、嘘の予言で言葉巧みに人々を水の中に誘い込む人喰い魚だったのです。
「やれやれ、本当の大災害はあなたの事だったんですね。」
クロは、人喰い魚にそう言うと女の子を連れて宿から逃げ出しました。


クロの棺桶・絵本
2016/07/02

クロと水面の町8

suimen 8

ですが、クロは宿から一冊の日記を見つけました。
それはどうやら、予言者の日記のようです。
女の子が、何が書いてあるのか問うとクロは
「どうやら予言者さんはとんだ嘘つきのようですよ。」
と答えました。



クロの棺桶・絵本
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